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伊坂幸太郎著「アイネクライネナハトムジーク」を読む

伊坂幸太郎著「アイネクライネナハトムジーク」を読みました。

著者があとがきで述べているように、伊坂作品には珍しく、殺人や暴力や犯罪などは出て来ず、人見知りで臆病な市井の人々、男女の「出会い」、「再会」などを描いた、2007年以降、随時各誌に発表された短編の連作になっています。

とはいっても、そこは伊坂ワールドで、それぞれの作品の登場人物が、次第に絡み合いながら、時空も超えて、ラストの書き下ろし短編につながっていきます。

システムエンジニアとして、まじめで緻密な仕事をしながら、家庭では、ずぼらで「適当」なために、奥さんに愛想をつかされる男。しかし、自分を知るにつけ、「新しい関係」が・・・

学生時代、太目で「女王」にいじめを受けたOLが、外見も変わり、相手に気づかれずに、しっぺ返しをするチャンスを、クライアントという有利な立場で得た話、など、けっこうリアルな感じのエピソードや、少しファンタスティックなボクサーの話などもあり、どんどんページが進みます。

個人的には、学生時代の女グループの中での「いじめ」、社会人になってからの恋敵をめぐる駆け引きなど、ラストまでは暗いトーンで描かれる、「メイクアップ 」という短編が面白かったですね。現実にも良く聴く話で。。。怖いです、女の嫉妬w

そのほか、著者が親しい、斉藤藤和義の歌から触発されて書いた話などもあり、ファンの方には、また違う広がりで読めるかもしれません。

尚、9月の本の発売の後、電子書籍も各社から既に発売になっていて、1,120円となっています。

伊坂幸太郎 著 『アイネクライネナハトムジーク』   [PR]
本購入:amazon 楽天ブックス 紀伊國屋 セブンネット Honya Clubicon 
電子書籍:Kindle honto 楽天電書 Kinoppy BookLive AppleBooks 
発行:2014/09/26 出版社:幻冬舎 紙価格:1512円
ジャンル:ミステリー 形態:単行本