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FLY TO THE FUTURE、進歩にびっくり

東北大学工学部機械系、瀬名秀明教授企画の特別シンポジウム、「FLY TO THE FUTURE 100年先の未来をつくろう!」に行ってきました。

「パトレイバー」のクリエイター出渕さんと瀬名教授の対談で少し柔らかくなりましたが、基本はロボット工学・機械工学が、社会との関わりにおいて、いかに意義のある研究をしているかを、一般人にも分かりやすく説明しようとするのが主旨だったと思います。出渕さんも言ってしましたが、ぞれぞれの分野での研究は、素人の想像を超えて進んでいて、びっくりしました。

自分が一番が興味を持ったのは、医工学の山口先生のちょっとペシミなお話。私的には、山口先生の切り口があったので、このシンポは締まったものになったと思いました。


山口教授は、生体計算工学というのでしょうか、例えば心臓の血流をシミュレーションしたりするなど、想像を絶する研究をされているのに、生命の奥深さの前に「人工肝臓なんて、簡単にはいかないよ、ほぼ無理」などと、一見、盛り下げられます。

しかし、本当のところは、できる事とやるべき事の違いを考えておくようにと、他の研究者に問いかけているようでした。人の生死を眼前にしてきた外科医出身の先生らしい発想なのでは。

他の先生方の工学的な話では、プロベラを上に向けてホバーリングしながら、指示したコースを旋回する模型飛行機の制御、血液で発電できる話、ウィルスの自己組織化を生かして、携帯の電池の性能を上げた話などや、國吉教授の「攻殻機動隊」の世界さながらのロードマップの話など、興味が尽きませんでした。

パネルディスカッションも面白かった。瀬名教授が出版されているノンフィクションのロボット学関係の本でも、必ず議論になる「人間とは何か」「知能とは」という定義づけの話。これはどこまで人間を「機械化していいのか」などの倫理の話もからんでくるので、素人でも参加しやすい話題です。ということで。。。

機械系の先生方は、研究は自由にやらせてくれ、倫理は社会が決めてくれ、というスタンスの方が多いようですが、「人間をどうとらえるか」「どこまでやっていいか」は、人や社会に与えて貰う物ではなく、自分自身で答えを考えておくべきものではないでしょうか。
そして、自分にブレーキをかける能力があるのかが問題です。責任を取れない人には、自由は与えられない。

シンポの中で、ロボット工学3原則が話題になりましたが、ロボットを人間に置き換えたら、あるいは自衛隊におきかえたら、という笑い話がありました。

が、私的には、「ロボット」を「科学者」に、「人間」を「人間社会」に置き換えたら、と思ったりしました。「科学者は人間社会を傷つけてはならない。但し・・・。」
定義できないから原則あっても無視する、は無しですよね。。。と、偉そうな感想で、失礼致しました。