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映画「フィッシュストーリー」を見る

今、仙台は、間もなく先行上映される映画「重力ピエロ」のCMや、本屋にうず高く詰まれた、伊坂幸太郎氏の本で、伊坂色に染まっておりますが、3月から公開されている、もうひとつの伊坂氏原作の映画、「フィッシュストーリー」(監督:中村義洋監督、脚本:林民夫)をようやく見てきました。
以下ネタバレあり。


この作品は、原作の核となっている、70年代の売れないロックバンドの、最後のレコーディング曲の話は、ほぼそのままに、その曲がめぐりめぐって、2012年、彗星地球衝突の危機から世界を救う少女につながるという、ハルマゲドンもびっくりな、独自のストーリーを加えているものです。

原作の、女性システムエンジニアがウィルスから世界を救うという、視覚化し難い、さらっとした感じより、映画的なカタルシスのために、かなり大仰なエンディングとなっています。映画は映画として、とらえた方が楽しめるでしょう。

それでも、伊坂作品の中でも特に際立って、生き生きと描かれていた、「この曲は売れねえな」と苦笑いしながら演奏にのめり込む、バンドメンバーの会話部分は、そのまま活かされているので、伊坂ファンも納得するのではないでしょうか。

リードギター役の大川内利充は、本物のミュージシャンのようですが、ベース役の伊藤淳史やボーカルの高良健吾、ドラム渋川清彦は、音楽の経験があるのでしょうか?
今回が初めてだとしたら、かなりはまっていて、しかもメンバーの個性が、極端でなく自然に描かれていて、面白かったです。情けない役の多い伊藤淳史君も、今回は、かっこいい役ですよ。

まあ、この映画の最大売りは、なんと言っても、伊坂氏と仲がいい、斉藤和義氏の音楽。劇中バンド「逆鱗」の最後の曲として使われる「フィッシュストーリー」は、ロック音痴の私でも、ドラムの気持ちいいリズムが耳に残り、「ダン、ダダ、ダーン」と口ずさみたくなります。良く分かりませんが、こういう曲のことをパンクというのでしょうか?
斉藤氏のサイトでムービー付きで曲が試聴できます。(追記)2009年9月25日、映画フィッシュストーリー [DVD]発売。

余談ですが、プロデューサー役の大森南朋は、その子供のレコード店員との2役(なんでこんなに若いんだと、最後まで気がつかなかったです)なんですが、そのいでたちが、私の知人の元ミュージシャンの某CG会社社長にそっくりで、笑いました(といっても誰も分からないでしょうが)。

また、チネ・ラヴィータに何年かぶりで行ったのですが、もぎりのおねえさんが、持田香織を若くしたような林檎っ子でした。運がよければ会えるでしょう(笑)。