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映画「ソーシャル・ネットワーク」を見る

「ツィッターの次は、フェイスブックだ」という米国好き業界関係者や映画のプロモーションに、まんまと嵌り、映画『ソーシャル・ネットワーク』を見てきました。

いまやグーグルより滞在時間が多く、5億人が利用すると言われる世界最大のSNS、フェースブック。それをハーバード大在学中に、友人と1000ドルの資金で起ち上げ、時価総額2兆円に成長させた、現在26歳のマーク・ザッカーバーグの実話に、数々の創作も加えた(映画で明記)物語。

脚本のアーロン・ソーキンも原案の作家も、本人に会えず、フェースブックも協力していない(Wikipedia)、ということなので、「フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)」のようなドキュメンタリーや、天才プログラマーのアメリカン・ドリーム青春物語というよりは、典型的なハリウッド映画かもしれません。若干トーンが暗くなってます。

しかし、映画的な演出の味付けや、音楽は面白く、第68回ゴールデン・グローブ賞において、作品賞、デヴィッド・フィンチャーが監督賞、脚本賞、トレント・レズナー&アッティカス・ロスが作曲賞と4部門で受賞しています。
以下、ネタバレあり。

映画は、ハーバードのコンピューター科学専攻の天才だけど、社交クラブには入れず、見るからにオタクの主人公が、ガールフレンドと話が噛みあわず、しかもエリート意識をひけらかして振られ、あげくに、逆切れして、ブログに悪口を書き込んだり、女子寮の名簿や写真をハッキングして、女の子品定めゲームサイトを作るところから始まります。まさに「ゲス野郎」としての描かれ方。

同業の方には、反感必須の場面ですが、映画的には、変人であればあるほどいい。「天才だけど、ブサイクで、変人で、その凄い能力でお金持ちになるが、恋人や友人を失う」これが、一般的なハリウッド映画の流れ。

その後、フェースブックの原型となるアイデアを提供したハーバードの上級生や、唯一の友人で一緒に会社を立上げた同級生の両方から、訴訟を起こされるシーンが始まります。

フェースブックの急速な拡大と、時間軸を交差させながら、話は裁判劇の様相もあるのですが、この往復が分かり難い。何せ、若くしてセレブになってしまったので、登場人物が皆、学生時代と変らないのです。

技術的な側面より、どうやって、アイビーリーグ内の排他的な社交用サイトだったのが、世界規模に広がっていくのか、資金はどうしたのか、そちらの方が詳しく描かれます。

そして真面目に金集めする盟友よりも、資金調達に長けたヤク中のナップスターの創始者との関わりが出てきて、「金を得ても失うものが多いよ」という通念につなげていきます。

ドキュメンタリー本を読んでいないので、実際のところはどうなのか分かりません。そこまで通念通りなのかどうか。

映画の中で、マークは、自分の宝であるフェースブックの拡大のためには・・・果たして、本当にゲス野郎で裏切り者なのかどうか。それは見てのお楽しみ。

マーク役のジェシー・アイゼンバーグや盟友役のアンドリュー・ガーフィールドがいい味出してます。そしてBGMがなかなかクール。音楽だけは予定調和でなく、斬新。これは、いい塩梅です。

さて、マイスペースを抜いて世界制覇しつつあるフェースブックですが、日本、韓国、中国などがまだ未開だそうで。この映画を見ると、フェースブックの熱狂の大元には、アメリカのエリート(予備軍)が、自分の属性を晒すことで、有利に出会ったり、儲けたりというのが、根っこにあるようですが、慎しみの美学や僻み根性に覆われた日本で、どのような展開をとげるのか、楽しみです。

余談ですが、マーク君のノートパソコンは、ソニーのVAIO
iconでした。下っ端が使うのがMac。最もフェースブックは、マイクロソフトがスポンサーだそうですし、映画はコロンビア・ピクチャーですから。って、アメリカの天才プログラマー達は、DELLやHPではなく、VAIO使ってんでしょうかね?