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70年頃の仙台が舞台、小池真理子原作の映画「無伴奏」間もなく公開

高校時代を某女子高(三女らしい)で実際に過ごしたという、作家小池真理子さんが、70年前後の学園紛争の頃の仙台を舞台に、大学生と女子高生2組の「男・女」の激烈な恋愛と青春のアンニュイ、そして劇的な事件を描く小説、「無伴奏」が原作の、映画「無伴奏」(矢崎仁司監督)が3月26日から全国公開となります。

昨年の3月に仙台や、東松島市でロケが行われています。先日試写会があったようですが、当地の公開は、仙台が舞台なのになぜか2週遅れで、「フォーラム仙台」で、4月9日から。R15+指定です。

原作は、以前読んだ記憶があるのですが、この機会に読み直してみました。以下ネタバレあり。映画とは一部異なるかもしれません。

ファッションのように、仲間とつるみ、学校はサボリ、学生運動っぽいことはしているが、実は、自意識過剰で「平凡な」17歳の女子高校生、響子(成海璃子)は、ある秘密を抱えながら、芒洋と生きている東北大生、渉(池松壮亮)と、バロック喫茶「無伴奏」で出会い、恋に落ちる。

しかし、そこには彼の友人(斎藤工)とその恋人?のM学院女子高生のエマ(遠藤新菜)が常におり、なかなか二人きりになれない。

しかし次第に打ち解けていく2組。響子はようやく楽しい「青春」生活を見つけたと思っていたのだが・・・

原作者が、自身の経験に、創作のミステリー的要素を加えて、すらすらと一筆書きのように連ねる文章に、どんどん引き込まれていきます。

青春のセンチメンタルというには、あまりにも劇的な結末が待ち受けていますが、小池さんが、高校生の頃から20年後、90年に書いたこの本のインパクトが、それからさらに25年を経て、「ありえない」から、「ありがちね」になってしまっているのも、時代の流れ。

時代の息吹とか、当時の仙台の舞台背景が、物語に関わっているのですが、せっかく小池さんが実名で紹介してくれている、当の「無伴奏」はじめ、「仙台ホテル」、「丸光デパート」、駅前の本屋(たぶんアイエ書店)などは悉く無くなり、東一番丁のラーメン店(たぶん番丁)や嵯峨露府は移転してしまって、本来の舞台巡りは不可能。藤崎デパートだけはママかwま、舞台は45年以上の前の仙台ですからね。。。

個人的には、成海璃子さんが、狂おしい大人のシーンをどう演じるかに興味があります。また、高校生ながら、タバコを吸い慣れた感じを出す必要がありますが、たしか、そういうスキャンダルが、ありやなしやだったと思うので、一気に吹っ切っているといいですね。

キャストは、池松壮亮と斉藤工は、原作イメージ的には入れ替えた方が良いのではと、見る前の段階では思うですが、どうでしょう。

無伴奏 (新潮文庫) -