何だか、当ブログが、アニメ映画『この世界の片隅に』の話題ばかりになっていますがw、2016年第90回キネマ旬報ベストテンの日本映画第1位(作品賞)と、監督賞に片渕須直さんが、選出されました。おめでとうございます。
個人的には、プロの評価を受ける、そのこと自体よりも、これによって、多くの人が、この映画を見るきっかけになれば、と思います。
宮城県の上映館も少しずつ増えていますが、他のシネコンさんもやってほしいですね。
繰り返し見ると、細かいところに、いろいろな描写が詰まっていることが、分かってきて感心します。
ひとつだけ言うと、後半で、焼夷弾などによる、米軍の空襲の繰り返しの後で、建物が焼き尽くされて、何も無くなった呉の街が描かれます。
それを背景に、北條夫妻が会話するシーンが何度かありますが、少しずつ、背景にバラックのような建物が増えて、時間の経過と、それでも生き抜く人々の強さを表現しています。
戦争の直接的な表現も当然ありますが、主に描かれるのは、普通の人々の暮らし。多くの命・ものを失い、悲しみの中でも、夫婦、家族、近所の人々の絆で、少しずつ復活していく様が、いろいろな形で描かれています。