映画『終末の探偵』を見ました。監督:井川広太郎、脚本:中野太・木田紀生。主演:北村有起哉 。
自分は監督というより俳優(特に女優)さんで映画を見るタイプなんですが、これは中年のやさぐれ探偵、「連城新次郎」を、北村有起哉を演じるというので、これは、期待できると思い見て、期待通り。充実した映画でした。
まさにハードボイルド。ぬるい笑い無し、エロ無し。
金欠で、呑兵衛、やさぐれているけど、魂は売っていない探偵が、体を張って、依頼を果たします。
おしゃれとか、小粋な部分は省いて、まあ、泥臭く、酒臭く、渋過ぎる探偵なんですが、これが、北村にイメージするものと、ぴったりw
北村は、バイプレーヤーとして数多くの映画に出演していますが、結構ヤクザ映画にも出ているようで、殴り合い、乱闘シーンも、生生しく迫力です。
ストーリーとしては、中国人や亡命外国人が多く住む、某下町で、暴力団と中国系マフィアの抗争の中、暴力団の下請けもするような「ドブさらい」の探偵が、失踪したクルド人の女の捜索を、フィリピン人が両親で日本生まれた女(武イリヤ)に頼まれ、体を張って探しに行くという、お話。
在留資格問題、差別とリンチ、暴対法で締め上げられた暴力団の行く末など、社会問題も絡めていきますが、何より、素手で殴り合あったり、絡み合う乱闘シーンがリアル。
ヤクザ役の松角洋平、中国系マフィアの古山憲太郎も嵌っており、その殴り合いが、実に痛々しい。
金属バットで殴られても、すぐ立ち上がるとか、ピストルも刃物のほとんど出てこないところが、多少映画的かも知れませんが、肉体のぶつかりあいの方が、痛さが伝わってくるようです。アクション監督は、園村健介。
最近は確実なヒットを狙って、漫画、アニメ、小説が原作の映画が多い中で、どうやらこれは、映画のオリジナル脚本のようですね。
知ってるストーリーをなぞったり、伏線探し、謎解きより、スクリーンを見て、初めて感じる感情を存分に楽しめる、アクション映画になっています。
仙台では、仙台駅東口のチネ・ラヴィータで、2月9日まで上映中。