松崎有理著『代書屋ミクラ すごろく巡礼』を読む

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松崎有理著『代書屋ミクラ すごろく巡礼 』を読みました。

北の街の蛸足大学w出身のリケジョと思われる著者による、学術論文代書業ミクラのシリーズ最新作。
 
以下ネタバレあり。

代書屋ミクラ すごろく巡礼 -

決まった数の論文を提出しないと、大学での職を失う近未来?が舞台のシリーズ。

代筆業の若手ミクラ君も、様々な、とんでも系の論文代筆の依頼をこなし、一人前になりつつあるものの、「結婚できない呪い」の解消は未だ。

 
いささか閉塞感のある北の街での、八萬町と蛸足大学の往復の生活から、今回はちょっと飛び出します。
 
というのも、ホの字になった心理学教室の助教の女性が失踪、どうやら「幸せの正体」を研究している彼女が、南の巡礼の島・辺路島に調査に行ったきりらしい、というので、追いかける、いや、捜索に行く訳です。

そこで、すごろく形式の島めぐりの巡礼の祭りに参加すると、彼女に会えそうだというので、巡礼に参加しますが・・・

珍奇な人物が次々と現れ、巡礼の不思議なきまりと、島の風習で、おもろく展開していきます。例によって、研究者の生態をチクチクしながらw

心理学もちらと出てきますが、今回は民俗学でしょうか。ちょっと横溝正史風のミステリーも入れながら。これまでのシリーズとは少し違ったタッチで、面白かったですね。

ところで、北の街の蛸足大学もだんだん統合されて、通学には便利な地下鉄駅もできたり、こじゃれた食堂やら、講堂やら、変わりつつあります。是非有理先生にも、来ていただいて、新たに着想をしていただけないかと。

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