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伊坂幸太郎・阿部和重著「キャプテンサンダーボルト」を読む

伊坂幸太郎、阿部和重合作の長編小説「キャプテンサンダーボルト」を少し前に読みました。

たまたま、今日の河北新報HPに、終戦直前に「不忘山」に墜落したB29の謎めいた事件の記事があり、まだ感想文を書いていない事を思い出しました。このネタが、本に使われているからです。


仙台在住の伊坂幸太郎、山形出身の阿部和重ということで、中間の蔵王を舞台にと、えらくイージーな舞台設定のようですが、伊坂流に様々な伏線を時代を超えて張っており、大部でありながら一気に読めました。以下ネタばれあり。

少年野球の仲間だった男たちが、30過ぎて、サラリーマンやチンピラ?風の男、ホテルマンなど、それぞれの人生を歩んでいます。

そのうち金に困っている二人が、ギャングらしき一味と、ひょんなことから関わり、相手の欲しがっている「何かの秘密」を持っているように見せかけて、騙して金を奪おうと無謀な計画を立てます。

プロのキャングは、殺人も平然とこなす特殊部隊上がり。騙して金を巻き上げるどころか、命を狙われて追われるハメになるのですが、「秘密」の鍵を、昔の戦隊ヒーローをやっていた役者が握っていると知り、その役者を訪ね、秘密が眠る蔵王に向かいますが・・・

話の中で、プロのギャングと対抗するための情報収集は、コピー機の営業マンをやっている主人公のひとりが行いますが、これでピンとくる方もいるでしょうか。

こどもの頃からの葛藤や、野球となぞらえたそれぞれの男の生き様、逃走劇のテンポ、暴力シーンのナマナマしさま(少しだけですが)まで、伊坂流といっていい本でしょう。「権力の横暴」もそうかな。

ギャング達が追っている謎が、終戦直前のB29の蔵王への墜落に絡んでいる、ということになってくるのですが・・・謎解きというより、「ゴールデンスランバー」を思わせる、逃走劇のスリリングさが気持ちいいですね。

伊坂幸太郎 著 『キャプテンサンダーボルト』   [PR]
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発行:2014/11/28 出版社:文藝春秋 紙価格:1944円
ジャンル:ミステリー 形態:単行本