熊谷達也著『孤立宇宙』を読みました。
これまで野生動物、猟師ものや、時代小説、仙台・宮城を舞台にした人間ドラマ、そして最近ではロードバイクをテーマした作品など、様々なジャンルを書いてきた著者ですが、ついに、元数学の先生らしく、SFの分野にも進出。
猟師から量子に飛びます。
いきなり464ページの長編。以下多少、ネタバレあり。
8月31日に、熊谷達也著『孤立宇宙』が発売になります。
タイトル通りの、著者初の長編SF小説。464ページ。
小惑星の衝突で地殻、気象ほかあらゆる環境が破壊され、生存の危機に陥った人類は、他の星への移住を目指すものと世界各地のシェルターで生き残りをはかるものとにわかれた。
さらに、肉体のくびきから離れ、意識のサイバースペースへの移行が可能になった世界は、分断と孤立の中にあった。著者初の本格的SF小説である本作には、自らのSF愛や映画愛が注ぎ込まれており、人類の起源に迫って宇宙にも飛び出す壮大なストーリーでありながら、決して読者を置き去りにしない深い人間ドラマが描かれている。
とのことです。 続きを読む
6月28日に、熊谷達也著『明日へのペダル』が発売になります。
『エスケープ・トレイン』以来の、ロード・バイクもの。河北新報ほかの新聞に連載していた小説。
本間優一は、多少のさざ波はあっても大過なく仙台で会社員生活を送ってきた。50代半ばに差し掛かり、健康上の理由からロードバイク(本格的なスポーツ用自転車)に乗るようになる。部下の唯の指導を受けて、優一のロードバイク技術はめきめき向上していく。思えば本気になって趣味に打ち込むことは、いままでに経験のないことだった。おりしも新型コロナウイルスのパンデミックが仙台にも広がり経済にも影響を及ぼすように。そんな息苦しい状況にあっても、自転車を通して、優一たちは新しい扉を開いてゆく。