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伊坂幸太郎著「火星に住むつもりかい?」を読む

少し時間がたちましたが、伊坂幸太郎著「火星に住むつもりかい?」を読みました。

時折、伊坂作品に出てくる、権力の横暴、拷問、密告などの「冷たい」ラインが久々に復活した、らしいといえば、らしい小説。

一応解決策は出てきますが、カタルシスやハッピーエンドが目的でなく、昨今のきな臭い状況を風刺した作品と思います。以下、ネタバレあり。


架空の町「仙台」を舞台に、住民相互監視の密告社会を作ることで、作為的に安全な街を作りあげるという、「平和警察」が存在する近未来。

正義は権力側が定義し、疑念を抱く者は、近世の魔女狩りのように、肯定しても否定しても罪をかぶせられ、ギロチンで公開処刑される。発案したのは、某警察幹部。

そこに本部から、ちょっと変わったエリート警察官僚が乗り込んで来るが・・・

最初から展開は読めるのですが、謎解きより、精神的、肉体的に「仕立てた犯罪者」を追い込む様が、まさに伊坂流。

一般人の防衛反応を利用して、密告を行わせ、反対意見を封じ込め、意見を言うこと自体が反逆として罪になる、その罪は権力側が規定する。

少し誇張はありますが、100年前に後戻りしてる、どこかの国の現状を風刺しているようでもあります。

伊坂幸太郎 著 『火星に住むつもりかい?』   [PR]
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発行:2015/02/18 出版社:光文社 紙価格:1728円
ジャンル:ミステリー 形態:単行本