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仙台文学館「佐伯一麦、熊谷達也、池上冬樹」3氏のトークイベントに参加

前の記事でご紹介した、2月18日の仙台文学館での、佐伯一麦(文学館長)、熊谷達也、文芸評論家の池上冬樹の3氏による、トークイベント、『北根ダイアローグ2024 「仙台の文学 むかし・いま・これから」』に行ってきました。

佐伯館長以外のお二人の話は、初めて聞きましたが、旧知の間柄三人の登壇者ということで、ざっくばらん、なごやかに、仙台の文学シーンの流れの話が聞けました。

1997年に池上氏が、山形で始めた小説家講座の講師に、熊谷、佐伯氏が参加。

また、池上氏は仙台文学館の運営委員でもあり、仙台文学館でも、佐伯氏と共に文学塾などをやってるという、相互関係があるようですね。

内容は、オフレコ話が満載だったのでw、トピックだけつまみますと、

まず、佐伯館長が、早朝からワープロ打ちしたという、1枚の仙台関連文学年表が配られました。

かつては、「仙台は文学不毛の地」と揶揄された時代もあったようで、確かに、様々な文学賞に仙台に根差した作家が次々登場するのは、80年代以降で、わりと最近?の事ということ。

そこから佐伯館長や、熊谷氏が90年代以降に様々な文学賞を取り、伊坂幸太郎氏により、仙台が舞台での作品がメジャー化し(池上氏)ということで、昨年の佐藤厚志につながった。

但し、現在文学館で開催中の企画展「仙台の文学 むかし・いま・これから」を見ると、県内各地で多数の同人誌などが発行されており、要は注目されていなかったという事もあるとのこと。

かつては、東京が舞台でないと、小説が売れない時代があったのが、様変わりしてきたが、それは、地元体験に根差した作品が受賞したりすると、それに引き寄せられるように、才能が集まって来たからではないか、ということでした。

私見では、地方の背景や風俗こそが、重要なファクターになって、人気を博している、漫画やアニメの影響もあるのではないかと思っています。

さて、今回のトークショーも、去年の佐藤厚志氏とのトークイベントも、そうですが、聴衆を「小説家講座」に参加しているような、作家志望の方が多いと見做して、呼びかけるようなトーンでした。

そうなんです?

もっとも、聴衆はそれなりの”ベテラン”の方が多かったのを、気にしてか「作家デビューに年齢は関係ない」と、3氏とも、やけに強調されてたのが微笑ましかったです。

その他、先日亡くなった、伊集院静さんの話も少し出ていましたが、池上さんがもっとも縁があって、文学賞候補作選定役と選考委員の関係だったり、8作品も、あとがき解説を書かれているそうです。

言われみれば、解説の論調が似ていたような気もします。

 

熊谷達也氏の執筆関連では、「悼みの海」を不含め、気仙沼がモデルの「仙河海シリーズ」は、8作執筆しているが、やはり、震災の事が思い出されて、苦しい執筆の時があったとの事。

方言の使い方を、井上ひさしに学んだと話か、元々SF作家を指向していたので、今後2、3作書きたいとの話もされていました。

SFのマニアックな読者は、いろいろ厳しいみたいですが、気にせずに書いていただきたいですね。

わたくし的には、「孤立宇宙」は面白かったです。

また、池上氏が講師をされている宮城学院大で、10月に小池真理子さんを大学祭に合わせて招き、講演を予定しているとのこと。

一般の方も入場可能にする予定とのことで、これは楽しみ。

小池さんは、一時、三女高に在学していて、その経験をもとに「無伴奏」を書いていますね。

成海璃子、齋藤工で映画にもなったし。

小池真理子さんは、現役の学生さんより、70年代に青春を送った先輩方の方が、関心が高いかも?