仙台在住小説家、瀬名秀明氏編著の『サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ』を読みました。
この本は、いわばブルー・バックスとSF短編アンソロジーが合体したような内容です。
2007年の第65回世界SF大会/第46回日本SF大会で行われた、科学者とSF作家のシンポジウムの内容を再録し、そこで科学者から示された問いかけに、瀬名秀明、山田正紀、堀 晃、円城 塔、 飛 浩隆の5人のSF作家が、短編小説で応えるというユニークな試みの本で、まとめる大変さがしのばれる労作でもあります。
現代の「マッド・サイエンティスト」(先生方が自称しています)が、最先端のロボット科学や、脳科学、人工知能の領域で、「人間」に対して、どのようなアプローチをしているのか、という点を知ることが出来た上、それが小説にどう織り込まれるのかという楽しみを味わえる、お得な本です。
私からみると、この研究、ヤバくね、というものもありますが、とにかく軍事にだけは使わない、それだけは守ってほしいですね。
研究内容のプレゼンは分かりやすかったのですが、とても、内容を掘り下げてレビューする力はありません。それで、アマゾンのレビューをたまに見てみるのですが、今のところ、挑戦する人は現れていません。われこそ、という方は、是非、わが国「マッドサイエンティスト」やSF作家に挑んでみて下さい。