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瀬名秀明氏が、日本SF作家クラブ会長に就任

仙台在住小説家、瀬名秀明さんが、発足50周年となる日本SF作家クラブの会長に就任されました。任期は2年。
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歴代会長には、星新一、小松左京、筒井康隆、夢枕莫、永井豪など重鎮が名を連ねています。瀬名さんは新井素子さんから引きつぎ、16代目の会長ということのようです。


これは、つん読になっている短編集「希望 」を急ぎ読まないと、ごしゃかれるなw

(追記)表題作の「希望」は、解説の風野春樹さんによれば、現時点での代表作だそうです。ヒッグス粒子も理解していない自分が評するのは、おこがましいですが、この作品は必読。

代表作というより、問題作というか、著者の転換点の作品では。

瀬名作品には珍しいセックスの場面が寒々と描かれています。人間としての実感には重力を感じるための身体が必要。

しかし、身体が無くても、「意思」のようなものは残って、伝わっていく、というような中々難しいテーマを書き出していますが、これまでの作品より、文章のテンポが良く、様々な用語につっかえることなく読めます。

自分的には、「質量」を「憎悪」と読み換え、憎しみが生きている実感を生む、と言いたくなるような、筆者のパッションを感じたのですが。。。

さて、風野氏によると

「科学と文学を哲学に一体化する。本書を読めば、その小松左京のヴィジョンを現在もっともよく引き継いでいるのが瀬名秀明であることがわかるだろう。いったんはSFへの違和感を抱き、SFから離れかけた瀬名秀明は、満を持してふたたびSFへの帰還を果たした。
そしていま、瀬名秀明は間違いなく日本SFの最前線に立っている。」

と絶賛されています。そして今度の日本SF作家クラブ会長への就任。ついに「来た」のでしょうか。