今頃?と言われそうですが、ようやく伊坂幸太郎氏の「ゴールデンスランバー」を読み終わりました。
小さい活字で500ページある小説ですが、仙台在住の方、出身の方には頭の中に市内中心部をイメージしながら、すぐに物語の中に入っていけます。
そして、まだお読みになっていないのなら、至急5日の「仙台七夕花火大会」の前に、読まれることをお勧めします。時間がありません!間に合わなければ、別の花火大会の前でも?いいでしょう。以下ネタバレあり。ご注意ください。
仙台出身の若い総理大臣が、東二番丁通りをパレード中、何者かに暗殺される。そして、その犯人の濡れ衣を着せられた元宅配ドライバーの若者が、昔の友人たちなどに助けられながら、ぎりぎりの逃走をするという話です。
なんとなく聞いたような展開と思われるかもしれませんが、そう、JFKの事件を参考に、近未来の国家・警察の陰謀か、と思わせる記述が出てきます。謎解きの答えのようなものは、話の初め方にすぐに出てくるので、ミステリーが主眼ではないと思います。
権力側からみれば、弱点だらけの一般人。主人公が、学生時代の仲間や元ドライーバー仲間など一般人の「信頼」だけを武器に、ぎりぎりのところで逃走をするという話ですが、最後は。。。合言葉は、「習慣と信頼」が自分を助ける。
さて、青春グラフティーのような話の中で、主人公が仙台七夕花火大会の夜、ある大事なことをします。また、数年後、それが逃走劇に中で再び重要な役割を持つとなる伏線となっています。
主人公を真似て、大切な人と花火を見にいくのもいいかもしれません。結果、大失敗に終わっても、責任は負えませんが(笑)この小説の話を持ち出して、誤魔化せます。
それにしても、伊坂さんは映画化を念頭に書いたわけではないでしょうが、仙台をロケ地にして、すぐに2通りのシナリオを思いつきました。
ひとつは本のように、友達や家族の信頼、青春グラフティーがメインの映画、もうひとつは「踊る大捜査線」のように、権力対弱者の逃走をメインにもっていくパターン。
さあ、どの宅配業者さんが、映画のスポンサーにつくのかな?早いもの勝ちですよ。宅配ドライバーがこれほど好意的に書かれている本もないでしょう。企業イメージが上がりますぜ。