瀬名秀明著「「大空のドロテI」」を読みました。
以前、新刊案内の記事でご紹介した通り、筆者が最も力を入れている作品のひとつです。
怪盗ルパンや飛行機へのオマージュといいますか、第一次世界大戦後のフランスを舞台に、飛行機に乗って曲芸をする少女ドロテと、機会いじりが好きでなんと飛行機のエンジンまで修理してしまう少年ジャンの冒険活劇がこの巻。
以下ネタバレあり。
孤児としてサーカスのママンに育てられたドロテが、ルパンの娘ではないか、というところで、1960年代の作家ふたりが、スイスで語り合うところから始まるのですが、この二人がどういう存在なのかは、まだ分かりません。
ドロテは、謎の男達に狙われ、ジャンと共に城の中を逃げ回るのですのが、このあたりのアクション描写が、これまでの瀬名作品とは違うスピード感ある描写で、宮崎アニメを彷彿とさせるものがあります。
俯瞰写真からのヒント、飛行機の上での曲芸、ぷら下がっての逃亡と、パイロット免許を持つ著者ならではのものがあるのでしょうが、門外漢には想像するのみ。
はたしてドロテの持つ秘密とは?ルパンは誰で、ドロテは娘なのか?
本書は全3巻のうちの第1巻目で、第2部が始まったところで、次の巻に引き継がれます。