熊谷達也著「微睡みの海」を読む

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熊谷達也著「微睡みの海」を読みました。

あるトラブルから、東北地方の海沿いの中学校の美術教師を辞め、元恩師の中年男と不倫しながら、若い元教え子の漁師とも関係する美術館学芸員の女。


と、本のキャッチコピー風に書くと、官能小説みたいですが、残念ながらそういう描写は、あまりありません。

また、読む前には、「七夕しぐれ」「リアスの子」に続く、著者の自伝的物語の三部作の続編かな、と思っていましたが、共通する人物はいるものの、前二作には登場しなかった女性を主人公とした、スピンオフの感じになっています。むしろ、

海沿いの街を舞台に、教師と生徒、男と女、地方の人間関係のしがらみを見つめ直し、過去から未来へと歩むことができるのか。。。

という、教師としての失敗、葛藤から、女性としての再出発という方がテーマと思われます。

教師時代の主人公を苦しめていたものは、何だったのか?それから逃れるように、自分の存在を確かめるように、男たちのとの関係にのめって行くのですが、それだけでは。。。

ラストの着地点は、女性的にはありなんでしょうか?男目線では、おいっという感じもありますが。

「野生時代」に連載のものを単行本化。各電子書籍プラットフォームからも購入できます。

熊谷達也 著 『微睡みの海』   [PR]
本購入:amazon 楽天ブックス 紀伊國屋 セブンネット
電子書籍:Kindle honto  Kinoppy BookLive 微睡みの海 – 熊谷達也“> 
発行:2014/03/07 出版社:角川書店 紙価格:1836円
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