2019年の第3回「仙台短編文学賞」大賞を受賞した、佐藤厚志著「境界の円居」を掲載した、「仙台短編文学賞作品集 2017→2022」が、2022年12月に発売になっています。
著者の最新作『荒地の家族』が、第168回芥川龍之介賞候補となったタイミングで、というわけでもないでしょうが、5年分の受賞作を収録。
『境界の円居』(まどい)は、 選考委員の柳美里氏によると、
(前略)「境界の円居」には、希望が見えない中で、どうやって生きていけばいいのか?という問いに対する答えは書かれていない。しかし、風が吹く。その風は、希望を求め、生きることを問わずにはいられない自分という存在に引き合わせてくれる。「境界の円居」は、震災から9年という時を映す水鏡のような小説である。
という事です。
主な掲載作品は、
- 〈第1回 2017年〉大賞「奥州ゆきを抄」岸ノ里玉夫ほか各賞(選考委員/佐伯一麦)
- 〈第2回 2018年〉大賞「ビショップの射線」綾部卓悦ほか各賞(選考委員/熊谷達也)
- 〈第3回 2019年〉大賞「境界の円居」佐藤厚志ほか各賞(選考委員/柳美里)
- 〈第4回 2020年〉大賞「海、とても」森川樹ほか各賞(選考委員/いとうせいこう)
- 〈第5回 2021年〉大賞「道の奥には」大谷努ほか各賞(選考委員/玄侑宗久)
書籍のみの発売。